オンライン出展

愛知県立三谷水産高等学校

愛知県立三谷水産高等学校は県下唯一の水産海洋系高校で、中でも海洋資源科は増養殖技術、潜水技術等を学ぶ学科である。 今回は①完全養殖を目指したニホンウナギの研究、②排水を海に流さないアワビの閉鎖循環式陸上養殖、③今年度より開始した高級淡水魚ホンモロコの養殖、④絶滅危惧種カワバタモロコ繁殖活動、⑤三重県で磯焼けの原因であるガンガゼの駆除活動、⑥三河湾でのアマモ場造成の取り組み、について紹介する。

ニホンウナギの持続的な利用を目指した研究・保護活動

ニホンウナギの持続的な利用を目指し、完全養殖技術の確立を目指して研究を行っている。現在は仔魚の孵化に成功しており、初期餌料の研究等に力を入れている。  野生個体の保護に関する取組として、石倉カゴを用いたモニタリング調査を定期的に実施している。石倉カゴの設置は愛知県では初の試みである。これは産卵のため海へ降り、深海の産卵場へ向かう銀ウナギの保護や野生個体の生息数などの把握に役立つ活動である。

アワビの閉鎖循環式陸上養殖の研究

本校では、2013年度より排水を出さない環境にやさしい養殖として近年注目されている、閉鎖循環式陸上養殖の研究を開始した。当初の対象種はクロアワビであり、地元の新たな名産品の作出を目標とした。現在は主の対象種をエゾアワビに変え、研究を続けている。  餌料として本校で養殖したワカメを使用しており、ワカメ養殖によって赤潮の原因となる海中の栄養塩類の回収や海中生物の隠れ場所としての役割を担っている。

高級淡水魚であるホンモロコの養殖

全国で休耕田が増加し、耕作放棄地の増加が大きな問題となっている。ホンモロコは琵琶湖水系原産の淡水魚で、その食味の良さから高級魚として扱われるが、琵琶湖では近年漁獲量の減少が懸念されている。  本校はホンモロコの高水温への耐性と食味の良さに注目し、新たな名産品の作出を目指し、今年度から養殖を開始した。卵は京都府立海洋高等学校よりご厚意で頂いたものである。

絶滅危惧種であるカワバタモロコの繁殖活動

カワバタモロコは小型のコイ科淡水魚で、生息場の減少や外来種による食害等によって全国的に減少し、現在は売買が禁止されている希少淡水魚である。愛知県内では天然記念物に指定している市もあり、種の保存が必要となっている。  本校では2年生がカワバタモロコの繁殖活動に携わり、種の保存に力を注いでいる。今後は認知度の低いカワバタモロコを県民に広く知ってもらうため、広報活動にも尽力していきたいと考える。

伊勢湾の磯焼けの原因であるガンガゼの駆除活動

全国で海の砂漠化と言われる磯焼けが問題となっている。隣県である三重県も例外ではなく、大きな問題となっている。磯焼けの原因は一つではなく複合的なものとなっていることが多いが、伊勢湾では過去のデータからガンガゼの駆除によって磯焼けが改善することがわかっている。  本校卒業生である潜水士の指導の下、今年度からガンガゼ駆除活動に着手した。持続的な活動が必要であり、今後も継続して活動を行っていく。

三河湾のアマモ場造成活動

三河湾は元来、アマモが多く生育していた海域であったが、高度経済成長以降に埋め立て等によって大きく減少してしまった。また富栄養化による海水の透明度の低下や地球温暖化による海水温の上昇も原因とされている。  本校では5月から三河湾でアマモの種子を採取し、選別、追熟を行った後、海底に移植する活動を実施している。近年はアマモに比べ比較的高水温に強い、コアマモの研究を始めている。

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